胃がんになった後のこと-全身症状とか対人関係とか


胃切除をした後は、消化器系以外にも後遺症が出てきます。

こちらのほうが長い付き合いになる場合もありますが、健康診断的にたまにチェックしていけば問題ないかと思います。

また、患者周辺のこともちょこっと記載しておきます。
自分は平気だったけど、人によっては深刻な悩みになる場合もあるかもしれません。

体重減少

手術して1年もすると食事方法にも慣れて1回の食事量も増えていきますが、 それに慣れるまでは、当然ながら体重を維持できるだけの量を摂取することができません。

一般的には手術前の体重の10%くらい落ちるといわれています。
自分は困ったことに手術前から健康診断の結果が常に「痩せ過ぎ」でした。正直に書くと45kg、体脂肪率20%(身長は高くない)
それが手術の半年後に体重37kg、体脂肪率13%まで落ちました。

10%超えとるやん :ぐはっ:

この頃は腕時計のベルトの穴が一番奥でもスカスカだったり、椅子のクッションが骨盤の形にヘコんだりしてました。

こんな姿になると本人よりも周りの人がビビるわけですが、食事量が増えれば徐々に体重も増えてきますのでご安心ください。

また1回の食事量を増やせなくても、1日の食事回数を増やせばトータルの食事量を増やせますので、周囲の協力があれば体重減少を少なくすることもできます。

 貧血

貧血とは血液成分が不足する症状の総称で、一般的な「鉄欠乏」はその一部にすぎません。
胃切除した場合はメジャーな「鉄欠乏性貧血」のほかに、「巨赤芽球性貧血」という症状が出る場合があります。

鉄欠乏性貧血

文字通り血液中の「鉄分」が不足します。
鉄は身体中の細胞に酸素を供給するヘモグロビンの材料のため、材料不足のヘモグロビンは酸素の運搬ができず、全身の細胞(内臓、筋肉、脳すべて)が酸欠になり、めまい、疲労、足がつる、頭がボーっとするなどの症状が現れます。

食事中の鉄分を体内に取り込むには、胃液(塩酸)で鉄を酸化させる必要があります。
そのため、胃切除すると鉄を体内に取り込むことができなくなるのです。

この症状は手術後すぐに出てくるものではなく、まずは血液中(血清鉄)や筋肉(貯蔵鉄/フェリチン)といった体内にストックされている鉄で数年間はやり過ごすことができます。
しかし5年ほど経つとストックしていた鉄が枯渇し、貧血の症状が表れるようになります。

治療法は鉄剤の補給で、一般的には錠剤を処方されます。
ただし自分は副作用で途中駅のトイレにダッシュという生活に戻ってしまうので、点滴で補給しています。

なお、全摘ではなく部分切除の場合は胃液がまだあるため、貧血にはなりにくいと言われています。

自分、3分の1残ってますが、かなりの貧血です。
なんでかって? いや、ほら、アタシ女なので。
腕から補給しても毎月出て行っちゃうのよ :ちぇっ:

巨赤芽球性貧血(悪性貧血)

以前は神経系の症状が出る原因不明の貧血だったため「悪性」という名前がついていましたが、 原因が判明した現在は「巨赤芽球性貧血」と呼ばれています。

治療しなければ致命的な状態になることもあるようですが、原因はビタミンB12の不足なので、ビタミンB12を注射で投与すれば治ります。

ビタミンB12は胃から分泌される内因子という糖タンパクがないと吸収できません。そのため、全摘をすると数年後に巨赤芽球性貧血になります。

巨赤芽球性貧血になったかどうかは血液検査で判断(MCV高値/MCHC正常)できますので、鉄欠乏の検査をしていれば、おそらく同時にチェックしてくれているものと思います。

余談ですがビタミンB12の点滴はプリティなピンク色です。(赤い目薬もB12の色です)

骨粗しょう症

女性に多い骨の病気ですが、カルシウムも一種の金属ですので、胃液が不足すると吸収が悪くなります。

予防的にカルシウム剤飲んだほうがいいかなぁ、と主治医に言ったら、
「腰が痛くなったら処方してあげますよ」

それってつまり、骨が潰れ始めたら、ってことじゃん。
これだから西洋医学ってやつは :怒:

病名のある症状しか治療してくれない西洋医学には頼らず、自分は今からカルシウム剤を飲んで発症を遅らせようと思います。
とりあえず成分表に「○○酸カルシウム」と記載があれば、胃液がなくても吸収できるはずです。

今のところ健康診断での骨密度数値は「やや年齢平均より少なめ」。
どこまでキープできるかな。どきどき。

対人関係

これまでは後遺症について記載してきましたが、胃がんになって変化するのは身体だけではありません。

今この記事にググッてたどり着いた方は恐らく、胃がんについて何か知りたいと思っていらっしゃる方です。
そう、普段の私たちは、胃がんについて何も知らないのです。

現代の日本人は他者への興味が希薄になってきていますので、知り合いが「よくわからないけど大変なこと」になったらどうするか、

他者に興味がない人は「面倒臭いから見なかったことにする」と思います。
あるいは繊細な人ならば、困難にある人に接することがその人自身にとって耐えられない重圧になるのかもしれません。

もともと「ぼっち」で生きていますが、発病後はさらに知り合いが減りました。(もちろん、自分の性格の悪さも一因なのは認識してます。ええ。)
また気が合うかな、と思った人に病気のことを話すと、いきなり腫れ物に触るかのように態度が豹変するとか。

別にいたわって欲しいとは思っていません。今まで通り普通に接して欲しいんです。 :しょぼーん:

自分から去る者はきっと繊細な人なのだと判断して追わず、いままで通り変わらずに接してくれる人、心配してくれる人は大事にしていきましょう。

また身近に患者がいる方は、暖かく見守ってあげてください。
そしてマトモに食べられなくても、たまには外食したいんです。お邪魔じゃなければ美味しいもの食べに連れてってください。